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2010年10月27日

オクレバセナガラ・・・

■先週の話になってしまいますが、スクエア『マンガマン』、面白かったです。アタマ20分(リーダーで演出の上田一軒さんに聞いたところ、カットを重ねて正確には18分)で、完全にお客の心をつかみましたね。説明的でなく、登場する5人の人間関係と物語の骨格が笑いの中で明らかになり、これからの100分の展開がものすごーく楽しみになるっていう・・・うん、素晴らしい第一場だったと思います。さすが『コメディ職人』の名前はダテではありません■しかしそれにしても、です。「マンガ家になる夢を捨てきれない男」と、「文芸担当を外されマンガ担当になったことを恥じている編集者」という二人の男がこの物語の芯になるわけなのですが、こんな設定がスッと僕たち観客の頭の中に入ってきて、彼らの喜怒哀楽にすごく素直に感情移入できてしまうっていうのは、やぱり『日本はマンガの国』ってことですよねー。ほとんどの日本人が、物心ついてから死に至るまで、好むと好まざるとに関わらずマンガという表現から逃れることは出来ません。一時の毎週600万部などという異常な発行部数の雑誌はなくなったものの、多くの出版社を経営的に支えているのはやはりマンガです■演劇が、《戯曲という文学》、《舞台・衣装などの美術》、《照明などの視覚効果》、《音楽》、《俳優の肉体表現》などを合わせた『総合芸術』だとよく言われますが、考えてみればマンガもやはり総合芸術です■《物語》と《絵》が二大要素であることはもちろんですが、様々なアングルとサイズを駆使した場面の描き方は映画のカット割りにあたり、省略と誇張によって物語を心地よく進めるコマ割りの技術はいわば音楽のリズムとテンポです。これらすべての要素が高いレベルで揃わないと、きっと人気マンガは生まれないのでしょう■・・・なんて自分で考えたように書きましたが、《マンガ=総合芸術》論は、大昔、僕が中学に入った頃に読んだ名著『マンガ家入門』で、石森(後に石ノ森)章太郎先生が書かれていたのを覚えていたんです。もう40年以上も前に書かれた、本当に素敵な本です。石ノ森先生が自身の半生を語りつつ、自作の制作過程を詳細に解説するという本なのですが、当時マンガ家に憧れていた少年少女は全員読んだんじゃないでしょうか?中でも、『龍神沼』というファンタジー作品の構成を1コマごとに解き明かすくだりの素晴らしさは、『マンガってこんなに緻密に作られてるんだ!』という驚きに満ちて、ファンの間では伝説化されていますよね■以後、マンガ論やマンガ入門書は星の数ほど出されてきたわけですが、もうひとつ、今回のスクエアの皆さんもきっと読んでおられるに違いない本を思い出しました。相原コージ・竹熊健太郎による『サルでも描けるまんが教室』!・・・これも僕の愛蔵書です。これは純粋なハウツー本ではなく、マンガ家と編集者が人気マンガを生み出すために共闘するというギャグマンガ。まさに『マンガマン』の世界です。あくまでマンガ作品ではあるのですが、物語の中で、作品作りの様々なテクニックや当時の業界事情を語るという、いわば《メタマンガ》の傑作です。面白いよー。

スクエア『マンガマン』、あす28日から東京公演です。大阪で見逃した方、ぜひぜひ!(艦長)

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